후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(一)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 246,214자 · 495화면
彼女も同じ方へ歩いて行く。努めて、足を遅くしても、茫々二里の本野原では、他に道くさを取らせて、わざと手間どるすべもない。
やがて、いやでも追いついた。そして彼女の姿が、つつましやかに草心尼のそばをスリ抜けて、幾足か先へ歩いたと思うと、その袂から、何やら落ちた。
草心尼の眼は、それを見たが、彼女は気づかぬ風で歩いてなおゆく。それは、よほど洒落人か都人でなければ持たぬような印金の袋に入った小さい懐鏡だった。
「……もし、先のお方」
草心尼が、呼びとめて、落し物を教えると、彼女は、さも意外らしかった。――が、地上に指された物を見て、慌てて立ち戻り、幾たびとなく、礼に礼をくり返したあげく、
「おや、和子は、お目が御不自由なのでございますね。まあ、その御不自由なお子を連れて、どちらまでおいでですか」
などと、歩調を合せながら、なにかと話しかけて来た。
女は女同士の気やすさの上、つい誘われる快い世辞のひびきをもっている。そのくせ、まだ娘かとも見えるほど、うら若いのに、
「私にも、幼子がありまする。どういうものか、生れつきの脾弱で、この十日程まえからまた、寝ついたきりで、食も細るばかりゆえ、さる所へ、祈願を籠めに詣った途中でございまする。