후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(五)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(五)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 252,330자 · 505화면
彼は立った。
歩き方まで違っている。
以前の、表小御所の陣座へもどって、どかと坐り直したのだった。そしてキラキラよくうごくその酔眼が、居ならぶ一族、御家人を睥睨して、
「ち」
と、癇性な舌打ちをもらした。――いまの大敗報にひしがれてか、満庭、しゅんとしていたからだった。
その陰気さが、彼には堪らなく厭らしい。じつは自分の本質にも、平常、孤独な陰気がこもっている。そこで、こういう情景には人いちばい陰々滅々な感を深くして、逆な放言をし出すのだった。
「みな聞け。いまも金沢ノ大夫に申したが、近ごろ武門は寝返り流行とか。遠慮はないぞ。鎌倉を出たい者はこのさい新田へ走るがいい。――さきには足利、結城、いやあんなに、わしが可愛がっていた道誉すらもだ。見事な寝返りを見せおった。……いわんや、高時がさして目もかけなかった輩の寝返りはむりとも思わん」
「…………」
「だが言っておく。高時は一人となってもここで戦う。高時にはほかへ逃げて行く国もない。鎌倉はわが祖先の地だし、わしが当代の工匠どもをあつめて地上の浄土を創るべく工芸の粋で飾った都だ。人間の都とは、人間がたのしく暮らしあうための楽園だろ。