일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しほんたいへいき

私本太平記(五)

吉川 英治

吉川 英治의 私本太平記(五)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 252,330자 · 505화면

아오조라 문고

「今は」と急に、兵力の配備をかえ出していたのであった。

そのうごきを今、高氏の本陣神祇官の大屋根の上から、物見の者が、いちいち、視野に拾って、

「敵の陶山、河野、斎藤の三陣のうち、陶山勢の一陣は、九条方面の加勢になだれ行きまする」

と下へ告げ、つづいて、

「六角勢の一部も、加茂川の向うを、大和口の方面へ、大きく移動しつつあります」

とも、どなっている。

これを高氏が耳にしたのは、初夏の烈日も、いつかすぐ曇って、東山一帯に、雲の帯がまたどんよりと降がりはじめた午後のむし暑い草いきれを感じる頃だった。

「直義っ」

大きく呼んで、

「鉦だっ、進撃する、総がかりの早鉦を打たせろ」

「かかりますか」

答えもせず、高氏は、

「馬を」

と、すぐ跨がって、

「師直は、側にあれ。斯波、桃井は前に立て。大伍や綱丸もつづいて来い」

と、自分を中心に円を作って駈け出していた。

陣鉦の乱打が地をつつむ。

高氏も直義の影も、はじめて、戦ぼこりの中に薄れ込んだ。

その乱軍の中で、

「あれは五郎左の子だな」

ふと、高氏の目に入った若者がある。

鎌倉の大蔵屋敷に留守としておいて来た設楽五郎左衛門の子、権之助であった。