일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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たちがれ

立枯れ

豊島 与志雄

豊島 与志雄의 立枯れ(たちがれ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,613자 · 41화면

아오조라 문고

穏かな低気圧の時、怪しい鋭い見渡しがきいて、遠くのものまで鮮かに近々と見え、もしこれが真空のなかだったら……と、そんなことを思わせるのであるが、そうした低気圧的現象が吾々の精神のなかにも起って、或る瞬間、人事の特殊な面がいやになまなましく見えてくることがある。そういうことが、小泉の診察室の控室で、中江桂一郎に起った。

小泉がキミ子を診察してる間、中江はその控室で、窓外の青葉にぼんやり眼をやりながら、しきりに煙草をふかしていた。てれくさい気恥しさなどは、もう少しも感じなかった。気の置けない友だちの間柄だから、紹介状を持って行ってごらんと、中江がいくら云っても、キミ子は駄々っ児のように顔を振るだけなので、中江はとうとう、自分で連れてくることにしたのだが、暫く躊躇していたキミ子は、俄に承知して、そうなると、知人のうちにでも遊びに行くといった調子になった。身体のことなんか自然に任せておけばよいので、ただ生きていて……そして働いてさえおれば……というのが彼女の平素の主張で、医者にかかることなどは贅沢となる、その贅沢が、今となっては、小泉のところへ――診察は第二として――中江と二人で行くという、或る物珍らしさのために、解消された形だった。