후리가나로 읽는 일본 고전
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けいば
競馬
織田 作之助
織田 作之助의 競馬(けいば)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,134자 · 24화면
して単複二百円の配当、馬主も騎手も諦めて単式はほかの馬に投票していたという話が伝えられるくらいの番狂わせである。
そんな競走が続くと、もう誰もかれも得体の知れぬ魔に憑かれたように馬券の買い方が乱れて来る。前の晩自宅で血統や調教タイムを綿密に調べ、出遅れや落馬癖の有無、騎手の上手下手、距離の適不適まで勘定に入れて、これならば絶対確実だと出馬表に赤鉛筆で印をつけて来たものも、場内を乱れ飛ぶニュースを耳にすると、途端に惑わされて印もつけて来なかったような変梃な馬を買ってしまう。朝、駅で売っている数種類の予想表を照らし合わせどの予想表にも太字で挙げている本命(力量、人気共に第一位の馬)だけを、三着まで配当のある確実な複式で買うという小心な堅実主義の男が、走るのは畜生だし、乗るのは他人だし、本命といっても自分のままになるものか、もう競馬はやめたと予想表は尻に敷いて芝生にちょんぼりと坐り、残りの競走は見送る肚を決めたのに、競走場へ現れた馬の中に脱糞をした馬がいるのを見つけると、あの糞の柔さはただごとでない、昂奮剤のせいだ、あの馬は今日はやるらしいと、慌てて馬券の売場へ駈け出して行く。