후리가나로 읽는 일본 고전
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りょくいのおんな
緑衣の女
松本 泰
松本 泰의 緑衣の女(りょくいのおんな)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,168자 · 25화면
併し相手は婦人づれであるから、確に自分の方が先に相違ないと思って、彼は工合のいゝ物蔭に立って眼を輝かしていた。
泉原はなけなしの金を費して、わざ/\マーゲートまで来ながら、とう/\グヰンの姿を見失って了った。恐らく彼女の一行はこのように遠はしりもせず、V停車場を離れると、じきに郊外の小駅で下車して了ったものであろうか、それとも同じ終点で下りたが、彼より先に構外へ出た人々のうちに交っていたのかも知れぬ。捕えたらあゝも云おう、斯うも云おうと意気組んでいた泉原は、張詰めた気がゆるむと、一時に疲れを感じてきた。マーゲート駅で下車した人々は停車場を立去って、大風が吹過ぎたあとのような駅前の広場に、泉原は唯ひとり残された。彼は何処へゆくという的途もなく、海岸通りへ歩を運んだ。
装飾電燈をつけた五階建、六階建の宏荘な旅館が、整然として大通りのペーブメントに沿ってすっくりと立並んでいる。美しい服装をした婦人達の姿がチラ/\と見えていた。
「Q旅館か、二年前に始めて英国へきたその時の夏には、この旅館に宿泊った事がある…があとにも先にも、それが一ぺんきりに違いない。」