후리가나로 읽는 일본 고전
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せいしょのけんい
『聖書』の権威
有島 武郎
有島 武郎의 『聖書』の権威(せいしょのけんい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 758자 · 2화면
私には口はばったい云い分かも知れませんが聖書と云う外はありません。聖書が私を最も感動せしめたのは矢張り私の青年時代であったと思います。人には性の要求と生の疑問とに、圧倒される荷を負わされる青年と云う時期があります。私の心の中では聖書と性慾とが激しい争闘をしました。芸術的の衝動は性欲に加担し、道義的の衝動は聖書に加担しました。私の熱情はその間を如何う調和すべきかを知りませんでした。而して悩みました。その頃の聖書は如何に強烈な権威を以て私を感動させましたろう。聖書を隅から隅にまですがりついて凡ての誘惑に対する唯一の武器とも鞭撻とも頼んだその頃を思いやると立脚の危さに肉が戦きます。
私の聖書に対する感動はその後薄らいだでしょうか。そうだとも云えます。そうでないとも云えます。聖書の内容を生活としっかり結び付けて読む時に、今でも驚異の眼を張り感動せずに居られません。然し今私は性欲生活にかけて童貞者でないように聖書に対してもファナティックではなくなりました。是れは悪い事であり又いい事でした。楽園を出たアダムは又楽園に帰る事は出来ません。其処には何等かの意味に於て自ら額に汗せねばならぬ生活が待って居ます。