후리가나로 읽는 일본 고전
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ききがきしょう
聞書抄
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 聞書抄(ききがきしょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 108,821자 · 210화면
又此の姫は幼い時より利発者で、読み書くことに心を染め、明け暮れ双紙などを集めて見ていたが、或る時乳人に両親の名を尋ねると、お歎きになることを傷わしく思い今日まで隠しておりましたけれども、父御は白井備後守とて天が下の大名小名に知られ給うたお方でござりますと、そう聞かされてからは偏えに菩提の心を起し、十三と云う歳の五月の末つ方、大雲院で四十八夜の別時の念佛を初め、その結願の日がちょうど七月十五日の父の命日に当るようにした。そうして十四日の逮夜の夜は、明結願の日でもあり、折柄盂蘭盆のことでもあるから、名残惜しく思って乳人と共に佛前に通夜をしていると、二人ながら暫くとろ/\と睡った隙に同じような夢を見た。一人は年頃四十あまりと覚える人の、唐綾の装束に冠を着けたのが、笏を取り直して佛壇に坐している。もう一人は三十餘りと見える婦人の、濃紫の薄衣に墨染の衣を着たのが、その右隣にすわっている。夢の中でも不思議に感じて傍の人に問うと、あれこそ白井備後どの御夫婦ですと答えるのである。やがて身のたけ二丈ばかりの鬼が現れて、口から炎を吹きながら夫婦を苦しめるかと思うと、気高い老僧が出て来て鬼を追い拂った。