일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

火野 葦平의 花と龍(はなとりゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 410,131자 · 824화면

아오조라 문고

おれは、そんな時代でも、いっぺんでも、寒い、と、いうたことがない」

川舟乗りから、角力取りになるつもりで、大阪に出た。褌かつぎになって、地方巡業に廻った。山陽線は、まだ全通していない時分のこと、寒中、素肌に浴衣一枚、巡業の荷物を積んだ大八車の後押しをして歩いた。

それから、若松に来たが、日清戦争の風雲に乗じて、朝鮮にわたった。

「おれも、ゴンゾをやったことがある。じゃが、朝鮮では、支那人仲仕が大層えばっとってな、癪にさわってたまらんもんじゃけ、或るとき、船の現場で、二三人、海に投げこんでやった。そしたら、支那の領事館から、日本大使館に、強硬談判を持ちこんで来やがったよ」

吉田磯吉は、身をゆすって、大笑した。

「それから」

と、その後の来歴を語ってから、

「人間、裸一貫、ことに、男は、力と度胸――これじゃよ。……玉井、森、わかったか?」

そういって、吉田は、肩を怒らし、右拳で、厚い胸板を、つよく、ドスンと、たたいた。

煙にまかれた金五郎は、わかったような、わからぬような顔付で、返事をしなかった。

――裸一貫。

その一語だけが、自分流に、わかった。

翌日になって、ほぼ同じ刻限に、二つの事件が、おこった。