후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
火野 葦平의 花と龍(はなとりゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 410,131자 · 824화면
うすうす、金五郎もそれを感じていたので、境界線を作ったわけである。
しかし、狭い六畳の部屋に、若い男女が二人居れば、蒲団は、一つでも、二つでも、同じことだ。屏風の城壁など、なんの役にも立たない。
金五郎が眠っていると、ぶつかるように、お京が飛びついて来て、眼をさます。お京は白い襟のついた緋縮緬の長襦袢を着ている。鬘下にした髪からは、濃いビンツケの香が立ち、白粉と香水とのまじった官能的なにおいは、金五郎の鼻孔をくすぐる。
金五郎は、胸がどきどきして、
「お京さん、どうした?」
「鼠よ。鼠、あたし、大きらい」
そういって、金五郎へしがみつく。
おどろいた金五郎は、お京を突きのけるようにして、立ちあがる。部屋中をうろうろし、
「鼠はどこに居るんじゃ? 鼠なんて、怖くないよ。……シッ、シッ」
と、頓狂な恰好で、追い声を出す。鼠の姿など、どこにも見えない。やっと、別々に寝たかと思うと、「壁虎(やもり)が出た」といって、また、金五郎の方へ、出張して来るのだった。
ようやく、一夜が明けた。
どうやら、なにごともなくて過ぎたが、金五郎は、不思議な疲れかたをしていた。
朝食のとき、お京は、元気がなかった。