후리가나로 읽는 일본 고전
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
火野 葦平의 花と龍(はなとりゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 410,131자 · 824화면
火の粉といっしょに、大雨のように、ポンプの水が飛んで来る。全身、ずぶ濡れになった。先刻、出しかけていた衣裳葛籠を肩にかついで、避難所へ急いだ。火勢は強まるばかりのようだ。張りめぐらされた交通遮断の綱の外に、見物人が密集している。「他所の火事は大きいほど面白い」という顔つきで、紅蓮の焔を吹きあげながら、なおも燃えひろがって行く日若座を眺めている。提灯を持った大勢の巡査が喚きながら、整理と警戒とにあたっていた。
金五郎は走りながら、その群衆のなかに、お京の顔を見たように思った。はっとして、立ちどまった。見なおしたときには、消えていた。
「畜生、……畜生」
青ざめた森新之助は、囈言のように、その言葉ばかり、呟いている。
熊丸虎市も、ぐったりと、運び出された荷物のうえにへたばりこみ、阿呆のように、ぽかんと口を開いて、ただ、喘いでいた。
深更になって、ようやく、鎮火した。日若座は全焼したが、裏は高い赤煉瓦塀でめぐらされていたので、類焼は少かった。
抜刀した島崎勇次が、朝まで、栗田銀五を追い廻していたらしいが、相手が隠れてしまって、喧嘩にはならなかったようである。