후리가나로 읽는 일본 고전
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
火野 葦平의 花と龍(はなとりゅう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 410,131자 · 824화면
すこし当てが外れたので、予定の作戦が狂ったのである。
昼間、選挙事務長の大石鶴松を立会人にして、夫に、お京と面会することを宣言したときには、女に逢ってからのことを、いろいろと思いめぐらしていた。決闘するつもりなどは、無論、なかったけれども、いいたいことがなかったわけではない。同時に、心の奥底で、女というものが男へ抱く一つの感情、理窟や、世間の習俗には合わぬ、愛情というものの不思議な深さと、悲しさ、夫金五郎への献身――お京の、そういうものを考えて、淡い同感と、感謝とでもいえる気持も抱いていたのであった。
(ぜひ、そのお京という女の人に、逢うてみたい)
その願望は、普通の意味の、恋敵、嫉妬、復讐、という感情とは、はるかにかけ離れた、女同士の心の秘密、心の故郷をさぐりあてる純粋な動機に、いつか、変っていたといってよい。
(どんな女じゃろうか?)
好奇心も、湧く。
ところが、その宿題を果す日が来たと思ったのに、奇妙な肩すかしを食わされた。
「あの女ですばい」
演説会場で、大石に教えられ、南階段の円柱にもたれている女を見たとき、不審の眉を寄せた。鬘下の頭で、元禄模様の着物を着た女は、演壇の金五郎を、またたきもせずに、見つめている。