후리가나로 읽는 일본 고전
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はなたばのむし
花束の虫
大阪 圭吉
大阪 圭吉의 花束の虫(はなたばのむし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,893자 · 36화면
二
勿論、兇行時間に約一時間半の開きがありますし、各方面での今迄の調査に依れば、他に容疑者らしい人物がこの町へ這入った形跡は殆どないし、尚旅館の方の調査の結果、彼等は三人とも各々バラバラで随分勝手気儘な行動をしていたらしく、殊に上杉などは完全な現場不在証明もない様な次第ですから、当局にしても一応の処置は取ってあります。――ところが、証人の陳述に依る加害者の風貌と、調査に依る上杉逸二の風貌とは、大変違うんです。つまり上杉は、被害者の岸田さんなどよりもまだ背の高い男なんです。だから、その意味で、上杉へ確実な嫌疑を向ける事は結局出来なくなるのです。――」
茲で警官は、捜査の機密に触れるのを恐れるかの様に、黙り込んで了った。
大月は秘書の秋田を顧みながら、内心の亢奮を押隠すかの様な口調で静かに言った。
「兎に角、一度、その断崖の犯罪現場へ行って見よう」
二
殆ど一面に美しい天鵞絨の様な芝草に覆われ、処々に背の低い灌木の群を横えたその丘は、恰度木の枝に梟が止った様な形をして、海に面した断崖沿いに一段と嶮しく突出していた。遠く東の海には犬吠が横わり、夢見る様な水平線の彼方を、シアトル行きの外国船らしい白い船の姿が、黒い煙を長々と曳いて動くともなく動いていた。