일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かしょく

花燭

太宰 治

太宰 治의 花燭(かしょく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,501자 · 38화면

아오조라 문고

一

祝言の夜ふけ、新郎と新婦が将来のことを語り合っていたら、部屋の襖のそとでさらさら音がした。ぎょっとして、それから二人こわごわ這い出し、襖をそっとあけてみると、祝い物の島台に飾られてある伊勢海老が、まだ生きていて、大きな髭をゆるくうごかしていたのである。物音の正体を見とどけて、二人は顔を見合せ、それからほのぼの笑った。こんないい思い出を持ったこの夫婦は、末永くきっとうまくいくだろう。かならず、よい家を創始するにちがいない。

私がこれから物語ろうと思ういきさつの男女も、このような微笑の初夜を得るように、私は衷心から祈っている。

東京の郊外に男爵と呼ばれる男がいた。としのころ三十二、三と見受けられるが、或いは、もっと若いのかも知れない。帝大の経済科を中途退学して、そうして、何もしない。月々、田舎から充分の仕送りがあるので、四畳半と六畳と八畳の、ひとり者としては、稍や大きすぎるくらいの家を借りて、毎晩さわいでいる。もっとも、騒ぐのは、男爵自身ではなかった。訪問客が多いのである。実に多い。男爵と同じように、何もしないで、もっぱら考えてばかりいる種属の人たちである。