후리가나로 읽는 일본 고전
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わかとのじょなんき
若殿女難記
山本 周五郎
山本 周五郎의 若殿女難記(わかとのじょなんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,611자 · 45화면
腰元たちは互いにせをし頷き合った。女性たちの間にあって自分が誰よりも深く熱烈に愛されているなどと宣言することは月評家たちの前で自作の朗読をする小説書き同様からきめに遭う。二十一二になる侍女の一人が、まず刺を真綿に包んで双葉嬢の心臓へ拶着した。
「お羨ましいわねえ双葉さま、そんなに愛して頂だくなんて女に生れた冥利というものだわ、ではもちろん貴女のお香箱の蓋は破れたわけですねえ」
「いいえそんなことはありませんわ」双葉嬢は忿然と顔をあげた。「若さまの愛はもっと美しいんですわ、卑しいところや厭らしいお考えなんぞ爪の先ほどもお持ちなさいませんわ、本当に純情でおきれいで、そして」
「そしてお寝間へ貴女ひとりを置いてお逃げなすったの」別の一人がこう云った。「熱烈な純情ってずいぶんあっけないものですわねえ」
派手な笑い声が局の壁ふすまを震動させたが、彼女たちおのおのの心臓は壁ふすまより烈しく震動していた。若さまは双葉嬢を愛さなかったのである。若さまのお躯はどこもかしこも、お寝巻や夜具もろともまだ純潔のままである、この事実の確認は「可能性」の火を彼女たちの胸に放ち、最も醜い年増の侍女をさえ誘惑した。