후리가나로 읽는 일본 고전
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わかとのじょなんき
若殿女難記
山本 周五郎
山本 周五郎의 若殿女難記(わかとのじょなんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 22,611자 · 45화면
その中で一人が、
「ああ癖もよく覚えた、このくらいでよかろう」などと云うのが聞えた。「声も大丈夫、なに下品を真似るくらい」
「では――」
そして彼等はまた暗がりの街へ消えた。もちろん家来なる者は残ったのである。そうして毎もより早く伴れを急き立てて帰ったのだが、諸君、ここをよく注意して頂きたい、二人が表通りへ出たとたん、十人ばかりの覆面した暴漢が現われて彼等を取巻いた。すわ、いかなる惨劇が展開するだろう、演者も思わず膝を乗出したが、――いや待たれよ、惨劇は展開しなかった、展開どころか人影は寧ろつぼんだ、そのときただひと声、「きゅう」というような呻きが聞えたばかりである。そしてなんと、家来なる者とその伴れとは悠々と町のほうへ去り、十人の暴漢はなに者かを担いでしょぼ降る小雨の夜道を西へとずらかったのである。
読者諸君は「おそめ」に於ける下賤な卑しい会話を辛抱して下すった、ついでにこの思わせぶりな夜道の出来事をも、根問い抜きに受入れて頂けるものと信ずる。そこでもっと明るい部屋へ御案内するのだが、――あ、ここだ、金谷の駅の本陣「太田屋良助」と看板の出ているこの宿屋ですよ、ここには七日まえから美作のくに津山で十八万六千石、森伯耆守の江戸邸の家臣が十七人泊っている。