후리가나로 읽는 일본 고전
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えいほんどじょうりくせんのぜんや
英本土上陸戦の前夜
海野 十三
海野 十三의 英本土上陸戦の前夜(えいほんどじょうりくせんのぜんや)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 35,727자 · 72화면
(一体、おれは、仏天青氏なのか、それとも他人なのか?)
アンは、自分が仏天青であることに異存はなかった。ブルート監獄の看守も「ミスター・F」と呼んでくれた。アンと一緒に乗り込んだ前の列車の憲兵も、同じく彼を仏天青と認めてくれた。それに、彼は仏天青名義の二冊の貯金帳を持っているではないか。
彼が“仏天青”ではないと言われたのは、バーミンガム駅にいた女だけだった。いや、それから、この列車の憲兵と車掌も、彼に対し幾分疑惑を持っているのだ。
これらを差引きして考えると、彼が仏天青であることの方が、そうでないことよりも、有力であると考えられる。あの女に逢うまでは、このような疑惑は、殆ど起らなかったのだ。あのバーミンガムの女こそは、懐疑の陰鬼みたいなものであった。
(おれは、仏天青に違いないのだ!)
そう思いながらも、彼は、あの女の残していった科白、
“こんな若僧じゃない!”
という言葉が、いつまでも無気味に思い出されるのであった。
彼のもう一つの当惑は、妻君のことだった。バーミンガムの駅で、あの女に取り縋られたときには、妻が二人出来たかと思って、すくなからず愕いたのだった。