후리가나로 읽는 일본 고전
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면
それらの光景は私の眼には直に北斎の画題を思起させる。いつぞや芝白金の瑞聖寺という名高い黄檗宗の禅寺を見に行った時その門前の閑地に一人の男が頻と元結の車を繰っていた。この景色は荒れた寺の門とその辺の貧しい人家などに対照して、私は俳人其角が茅場町薬師堂のほとりなる草庵の裏手、蓼の花穂に出でたる閑地に、文七というものが元結こぐ車の響をば昼も蜩に聞きまじえてまた殊更の心地し、
文七にふまるな庭のかたつむり
元結のぬる間はかなし虫の声
大絃はさらすもとひに落る雁
なぞと吟じたる風流の故事を思浮べたのであった。この事は晋子が俳文集『類柑子』の中北の窓と題された一章に書かれてある。『類柑子』は私の愛読する書物の中の一冊である。
私がまだ中学校へ通っている頃までは東京中には広い閑地が諸処方々にあった。神田三崎町の調練場跡は人殺や首縊の噂で夕暮からは誰一人通るものもない恐しい処であった。小石川富坂の片側は砲兵工廠の火避地で、樹木の茂った間の凹地には溝が小川のように美しく流れていた。下谷の佐竹ヶ原、芝の薩摩原の如き旧諸侯の屋敷跡はすっかり町になってしまった後でも今だに原の名が残されている。