일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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かつしかみやげ

荷風随筆集(上)

永井 荷風

永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면

아오조라 문고

四六君は麹町平川町から永田町の裏通へと上る処に以前は実に幽邃な崖があったと話された。小波先生も四六君も共々その頃は永田町なる故一六先生の邸宅にまだ部屋住の身であったのだ。丁度その時分私も一時父の住まった官舎がこの近くにあったので、憲法発布当時の淋しい麹町の昔をいろいろと追想する事ができる。一年ほど父の住っておられた某省の官宅もその庭先がやはり急な崖になっていて、物凄いばかりの竹藪であった。この竹藪には蟾蜍のいた事これまた気味悪いほどで、夏の夕まだ夜にならない中から、何十匹となく這い出して来る蟾蜍に庭先は一面大な転太石でも敷詰めたような有様になる。この庭先の崖と相対しては、一筋の細い裏通を隔てて独逸公使館の立っている高台の背後がやはり樹木の茂った崖になっていた。私は寒い冬の夜なぞ、日本伝来の迷信に養われた子供心に、われにもあらず幽霊や何かの事を考え出して一生懸命に痩我慢しつつ真暗な廊下を独り厠へ行く時、その破れた窓の障子から向の崖なる木立の奥深く、巍然たる西洋館の窓々に燈火の煌々と輝くのを見、同時にピアノの音の漏るるを聞きつけて、私は西洋人の生活をば限りもなく不思議に思ったことがあった。