후리가나로 읽는 일본 고전
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면
則ち旧加州侯の練塀立ちつづく本郷の暗闇坂の如き、麻布長伝寺の練塀と赤門見ゆる一本松の坂の如きはその実例である。
私はまた坂の中で神田明神の裏手なる本郷の妻恋坂、湯島天神裏花園町の坂、また少しく辺鄙なるを厭わずば白金清正公のほとりの坂、さては牛込築土明神裏手の坂、赤城明神裏門より小石川改代町へ下りる急な坂の如く神社の裏手にある坂をば何となく特徴あるように思い、通る度ごとに物珍らしくその辺を眺めるのである。坂になった土地の傾斜は境内の鳥居や銀杏の大木や拝殿の屋根、玉垣なぞをば、或時は人家の屋根の上、或時は路地の突当りなぞ思いも掛けぬ物の間からいろいろに変化さして見せる。私はまたこういう静な坂の中途に小じんまりした貸家を見付ると用もないのに必ず立止っては仔細らしく貼札を読む。何故というに神社の境内に近く佗住居して読書に倦み苦作につかれた折窃と着のみ着のまま羽織も引掛けず我が家の庭のように静な裏手から人なき境内に歩入って、鳩の飛ぶのを眺めたり額堂の絵馬を見たりしたならば、何思うともなく唯茫然として、容易くこの堪えがたき時間を消費する事が出来はせまいかと考えるからである。