후리가나로 읽는 일본 고전
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면
それに加えて、わたくしは俄に腸を病み、疇昔のごとく散行の興を恣にすることのできない身となった。またかつて吟行の伴侶であった親友某君が突然病んで死んだ。それらのために、わたくしは今年昭和十一年の春、たまたま放水路に架せられた江北橋を渡るその日まで、指を屈すると実に二十有二年、一たびも曾遊の地を訪う機会がなかった。
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大正九年の秋であった。一日深川の高橋から行徳へ通う小さな汚い乗合のモーター船に乗って、浦安の海村に遊んだことがある。小舷を打つ水の音が俄に耳立ち、船もまた動揺し出したので、船窓から外を見たが、窓際の席には人がいるのみならず、その硝子板は汚れきって磨硝子のように曇っている。わたくしは立って出入の戸口へ顔を出した。
船はいつか小名木川の堀割を出で、渺茫たる大河の上に泛んでいる。対岸は土地がいかにも低いらしく、生茂る蘆より外には、樹木も屋根も電柱も見えない。此方の岸から水の真中へかけて、草も木もない黄色の禿山が、曇った空に聳えて眺望を遮っている。今まで荷船の輻湊した狭い堀割の光景に馴らされていた眼には、突然濁った黄いろの河水が、岸の見えない低地の蘆をしたしつつ、満々として四方にひろがっているのを見ると、どうやら水害の惨状を望むが如く、俄に荒凉の気味が身に迫るのを覚えた。