후리가나로 읽는 일본 고전
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(上)(かつしかみやげ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 133,224자 · 269화면
」と歌った懐古の情の悲しさに比較すれば、自分が芝の霊廟に対して傾注する感激の底には、かえって一層の痛切一層の悲惨が潜んでいなければならぬはずだと思うのである。
ポンペイの古都は火山の灰の下にもなお昔のままなる姿を保存していた実例がある。仏蘭西の地層から切出した石材のヴェルサイユは火事と暴風と白蟻との災禍を恐るる必要なく、時間の無限中に今ある如く不朽に残されるであろう。けれども我が木造の霊廟は已にこの間も隣接する増上寺の焔に脅かされた。凡ての物を滅して行く恐しい「時間」の力に思い及ぶ時、この哀れなる朱と金箔と漆の宮殿は、その命の今日か明日かと危ぶまれる美しい姫君のやつれきった面影にも等しいではないか。
そもそも最初自分がこの古蹟を眼にしたのは何年ほど前の事であったろう。まだ小学校へも行かない時分ではなかったか。桜のさく或日の午後小石川の家から父と母とに連れられてここまで来るには車の上ながらも非常に遠かった。東京の中ではないような気がした。綺麗な金ピカなお堂がいくつもあって、その階の前で自分は浅草の観音さまのように鳩の群に餌を撒いてやったが何故このお堂の近所には仲見世のような、賑やかでお土産を沢山買うような処がないのかと、むしろ不平であった事なぞがおぼろに思い返される。