후리가나로 읽는 일본 고전
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しょうたく
荷風随筆集(下)〔全2冊〕
永井 荷風
永井 荷風의 荷風随筆集(下)〔全2冊〕(しょうたく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 36,633자 · 74화면
しかしこの議論はいつも或る条件をつけて或程度に押留めて置かなければならぬ。あんまりお調子づいて、この論法一点張りで東西文明の比較論を進めて行くと、些細な特種の実例を上げる必要なくいわゆる Maison de Papier(紙の家)に住んで畳の上に夏は昆虫類と同棲する日本の生活全体が、何よりの雅致になってしまうからである。珍々先生はこんな事を考えるのでもなく考えながら、多年の食道楽のために病的過敏となった舌の先で、苦味いとも辛いとも酸いとも、到底一言ではいい現し方のないこの奇妙な食物の味を吟味して楽しむにつけ、国の東西時の古今を論ぜず文明の極致に沈湎した人間は、是非にもこういう食物を愛好するようになってしまわなければならぬ。芸術は遂に国家と相容れざるに至って初めて尊く、食物は衛生と背戻するに及んで真の味を生ずるのだ。けれども其処まで進もうというには、妻あり子あり金あり位ある普通人には到底薄気味わるくて出来るものではない。そこで自然と、物には専門家と素人の差別が生ずるのだと、珍々先生は自己の廃頽趣味に絶対の芸術的価値と威信とを附与して、聊か得意の感をなし、荒みきった生涯の、せめてもの慰藉にしようと試みるのであったが、しかし何となくその身の行末空恐しく、ああ人間もこうなってはもうおしまいだ。