후리가나로 읽는 일본 고전
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
小山 清의 落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 239,741자 · 486화면
イプセンの「野鴨」という劇に、気の弱い主人公が自分の家庭でフリュートを吹奏する場面があるが、僕なんかも笛でも吹けたらなあと思うことがある。たとえばこんな曲はどうかしら。「ひとりで森へ行きましょう。」とか「わたしの心はあのひとに。」とか。まま母に叱られてまたは恋人からすげなくされて、泣いているような娘のご機嫌をとってやり、その涙をやさしく拭ってやれたなら。
誰かに贈物をするような心で書けたらなあ。
もはや二十年の昔になるが、神楽坂の夜店商人の間にひとりの似顔絵かきがいた。まだ若い人で、粗末な服装をしていて、不精ひげを生やした顔を寒風にさらしていた。微醺をおびていることもあった。見本に並べてある絵の中にはその人の自画像もあって、それには「ひょっとこの命」と傍書してあった。僕はその頃暖いマントに身を包み、懐ろには身分不相応な小遣いさえ持っていた。その人もいまはあるいは偉い大家になられたかも知れぬのだが、僕はいま自身にひょっとこの命を感じている。
僕はいま武蔵野市の片隅に住んでいる。僕の一日なんておよそ所在ないものである。本を読んだり散歩をしたりしているうちに、日が暮れてしまう。