일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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おちぼひろい

落穂拾い・犬の生活

小山 清

小山 清의 落穂拾い・犬の生活(おちぼひろい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 239,741자 · 486화면

아오조라 문고

明日幾何の授業があるという前日は、私は憂鬱でかなわなかった。私が憂鬱という感情をしみじみ実感したのは、私の人生に於ては、このときが最初ではないかと思う。

月曜日には幾何の授業があった。私は朝飯の途中で、茶碗と箸を膳の上に置き、顔を顰めて、母に訴える。

「おなかが痛いよ。」

「お前またきのう蜂蜜を呑んだんだろう?」

「うん。」と私はいかにもしおしおとした顔つきをしてうなずく。

「だから、もう呑んじゃいけないって、あれほど云ったじゃないか。」

私はその頃、日曜日には大抵浅草公園へ行って映画を見て、帰りには瓢箪池の際に出ていた屋台の蜂蜜屋で蜂蜜を呑んだ。一杯五銭でなかなかおいしかった。蜂蜜はおいしかったが、明日の幾何の授業のことを考えると、憂鬱であった。遂にある朝私は仮病をつかい、腹が痛いといつわって学校を休んだ。而もその腹痛の原因を、昨夜呑んだ蜂蜜のせいにした。蜂蜜こそはいい面の皮である。それからは私は月曜日にはきまって腹痛を起すようになった。いつも原因は蜂蜜であった。親というものは有難いもので、そんな他人ならばやすやすと見抜いたであろうような嘘を信じてくれた。