후리가나로 읽는 일본 고전
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あしはみていた
葦は見ていた
山本 周五郎
山本 周五郎의 葦は見ていた(あしはみていた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,985자 · 36화면
二
――葦たちは、まるでいまの出来事を互いに囁き交わすかのように、片向きに揺れてはさやさやと葉ずれの音をたてていた。
二
明くる朝の午前五時まえ、――
観音寺の丘の上で、杉丸東次郎が藤吉計之介の来るのを待っていた。そこは寺のうしろにある平らな丘で、晴れていれば、前方には寺の大屋根や鐘楼を越して、城下町と城のある鶴ヶ岡の森が見えるのだが、濃い朝霧が視野を掩っているため、寺の屋根も鐘楼もおぼろにしか見えない。丘のうしろは雑木林の繁った斜面で、その下は熊井川の流れである。熊井川は観音寺の丘陵の北端をまわり、大きく迂曲して、そこにひろい淀みをつくっており(これも晴れていれば)その淀みや、対岸の街道や林野が眺められるのであるが、いまは川そのものさえ、灰白色の帷に遮られて見えなかった。
「いやだめだ、もうとうていむだだ」東次郎は首を振りながら呟いた、「思いきってやるほうがいい、さもなければ武士として破滅するばかりだ、思いきってやるほうが友情だろう」
彼は丘の向うを見た。
空が明るくなり、静かに風が出て、さっと霧が巻きあがった。東次郎は刀の下緒を外し、それを襷にかけると、ふところからたたんだ晒し木綿を出して、しっかりと額に汗止めをした。