후리가나로 읽는 일본 고전
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たでくうむし
蓼喰う虫
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 蓼喰う虫(たでくうむし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 110,066자 · 216화면
彼は美佐子が妻でなかったら、或は玩具になし得たであろう。妻であるが故にそう云う興味が感ぜられなかったのでもあろう。「僕はそれだけ、まだお前を尊敬しているんだと思う。愛することは出来ないまでも慰み物にはしなかったつもりだ」と、要はその晩妻に語った。「そりゃあたしだってよく分っているわ。有りがたいとさえ思っているわ。………だけどあたしは、慰み物にされてでももっと愛されたかったんです」妻はそう云って激しく泣いた。
要は妻のその告白を聞いてからでも、決して彼女を阿曽の方へとそそのかすようにはしなかった。ただ自分には妻の恋愛を「道ならぬ恋」であるとする権利はない、自分はそれが何処まで進展しようとも、是認するより仕方がないと云う意味を云った。が、そう云う彼の態度が間接に美佐子をそそのかす働きをしたことは確かであろう。彼女の求めていたものは、そう云う夫の物分りのよさ、思いやりの深さ、寛大さではないのであった。「あたし自分でもどうしていいか分らないで、迷っているのよ。あなたが止せと云って下されば今のうちなら止せるんです」と彼女は云った。もしその時に圧制的にでも、「そんな馬鹿なことは止せ」