후리가나로 읽는 일본 고전
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とうじゅうろうのこい
藤十郎の恋・恩讐の彼方に
菊池 寛
菊池 寛의 藤十郎の恋・恩讐の彼方に(とうじゅうろうのこい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,146자 · 74화면
その裡に、花が咲いたと云う消息が、都の人々の心を騒がし始めた。祇園清水東山一帯の花が先ず開く、嵯峨や北山の花がこれに続く。こうして都の春は、愈々爛熟の色を為すのであった。
が、その年の都の人達の心を、一番烈しく狂わせていたのは、四条中島都万太夫座の坂田藤十郎と山下半左衛門座の中村七三郎との、去年から持越しの競争であった。
三ヶ津の総芸頭とまで、讃えられた坂田藤十郎は傾城買の上手として、やつしの名人としては天下無敵の名を擅にしていた。が、去年霜月、半左衛門の顔見世狂言に、東から上った少長中村七三郎は、江戸歌舞伎の統領として、藤十郎と同じくやつしの名人であった。二人は同じやつしの名人として、江戸と京との歌舞伎の為にも、烈しく相争わねばならぬ宿縁を、持っているのであった。
京の歌舞伎の役者達は、中村七三郎の都上りを聴いて、皆異常な緊張を示した。が、その人達の期待や恐怖を裏切って七三郎の顔見世狂言は、意外な不評であった。見物は口々に、
「江戸の名人じゃ、と云う程に、何ぞ珍らしい芸でもするのかと思っていたに、都の藤十郎には及び付かぬ腕じゃ」と罵った。七三郎を譏しる者は、ただ素人の見物だけではなかった。