후리가나로 읽는 일본 고전
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とうじゅうろうのこい
藤十郎の恋・恩讐の彼方に
菊池 寛
菊池 寛의 藤十郎の恋・恩讐の彼方に(とうじゅうろうのこい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 37,146자 · 74화면
「そなたを見染めた当座は、折があらば云い寄ろうと、始終念じてはいたものの、若衆方の身は親方の掟が厳しゅうて、寸時も心には委せぬ身体じゃ。ただ心は、焼くように思い焦れても、所詮は機を待つより外はないと、諦めている内に、二十の声を聞くや聞かずに、そなたは清兵衛殿の思われ人となってしまわれた。その折のわれらが無念は、今思い出しても、この胸が張り裂くるようでおじゃるわ」こう云いながら、藤十郎は座にもえ堪えぬような、巧みな身悶えをして見せたが、そうした恋を語りながらも、彼の二つの眸だけは、相変らず爛々たる冷たい光を放って、女の息づかいから容子までを、恐ろしきまでに見詰めている。
お梶の顔の色は、彼女の心の恐ろしい激動をさながらに、映し出していた。一旦蒼ざめきってしまった色が、反動的に段々薄赤くなると共に、その二つの眼には、熱病患者に見るような、直にも火が点きそうな凄じい色を湛え始めた。
「人妻になったそなたを恋い慕うのは人間のする事ではないと、心で強う制統しても、止まらぬは凡夫の想じゃ。そなたの噂を聴くにつけ、面影を見るにつけ、二十年のその間、そなたの事を忘れた日は、ただ一日もおじゃらぬわ」