일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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むし

虫

江戸川 乱歩

江戸川 乱歩의 虫(むし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,053자 · 86화면

아오조라 문고

と云うのを、無理に頼んで、独りでそこの家へ泊ることにした。

手広い旅館ではあったが、夜も更けていたし、客も少いと見えて、陰気にひっそりとしていた。彼は当てがわれた二階の部屋に通ると、すぐ床をとらせて、横になった。そうして、もっと夜の更けるのを待ち構えた。

階下の大時計が二時を報じた時、彼はムックリと起って、寝間着のまま、そっと部屋を忍び出し、森閑とした広い廊下を、壁伝いに影の如くさまよって、池内と芙蓉との部屋を尋ねるのであった。それは非常に難儀な仕事であったが、スリッパの脱いである、間毎の襖を、臆病な泥棒よりも、もっと用心をして、ソッと細目に開いては調べて行く内に、遂に目的の部屋を見つけ出すことが出来た。電燈は消してあったが、まだ眠っていなかった二人の囁き交わす声音によって、それと悟ることが出来たのである。二人が起きていると分ると、一層用心しなければならなかった。彼は躍る胸を押えながら、少しも物音を立てない様に、襖の所へピッタリと身体をつけて、身体中を耳にした。

中の二人は、まさか、襖一重の外に、柾木愛造が立聞きしていようとは、思いも及ばぬものだから、囁き声ではあったけれど、喋りたい程のことを、何の気兼ねもなく喋っていた。