일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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むし

虫

江戸川 乱歩

江戸川 乱歩의 虫(むし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 44,053자 · 86화면

아오조라 문고

世にも奇怪な生活が始まった。柾木愛造の凡ての時間は、二人の恋人の媾曳の場所と時とを探偵すること、あらゆる機会をのがさないで、彼等を尾行し、彼等に気づかれぬ様に立聞きし隙見することに費された。偶然にも、その頃から池内と芙蓉との情交が、一段と濃かに、真剣になって行ったので、その逢う瀬も繁く、彼等が夢現の恋に酔うことが烈しければ烈しい程、随って柾木が、あの歯ぎしりする様な、苦痛と快楽の錯綜境にさまよう事も、益々その度数と烈しさを増して行った。

多くの場合、二人が別れる時に言い交わす、次の逢う瀬の打合わせが、彼の尾行の手懸りとなった。彼等の媾曳きの場所はいつも築地河岸の例の家とは限らなんだし、落合う所も楽屋口ばかりではなかったが、柾木はどんな場合も見逃さず、五日に一度、七日に一度、彼等の逢う瀬の度毎に、邪悪なる影となって、彼等につき纒い、彼等と同じ家に泊り込み、或は襖の外から、或は壁一重の隣室から、時には、その壁に隙見の穴さえあけて、彼等の一挙一動を監視した。(それを相手に悟られない為に、彼はどれ程の艱難辛苦を嘗めたであろう。)そして、ある時はあらわに、ある時はほのかに、恋人同志のあらゆる言葉を聞き、あらゆる仕草を見たのである。