후리가나로 읽는 일본 고전
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くものゆめ
蜘蛛の夢
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 蜘蛛の夢(くものゆめ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 147,189자 · 298화면
そういう時代、そういう場所ではあるが、溝口医師は相当の病家を持って相当の門戸を張っていた。
門戸といえば、溝口医師の家は小さい旗本の古屋敷を買って、それに多少の手入れをしたもので、門の一方には門番でも住んでいたらしい小さい家があり、他の一方にも小さい長屋二軒が付いていたので、門番の小屋には抱えの車夫を住まわせ、他の長屋二軒は造作を直して、表から出入りの出来るように格子戸をこしらえ、一軒一円五十銭ぐらいの家賃で人に貸していた。なんでも三畳と四畳半と六畳の三間であったということで、それで造作付一円五十銭は今考えると嘘のようであるが、それでも余り安い方ではないという評判であった。そのせいか、門に近い方の一軒は塞がっていたが、となりの一軒は明いていた。
ふさがっている方の借家人は矢田友之助という大蔵省の官吏であった。そのころは官吏とはいわない、官員といっていたのである。矢田はことし二十四、五で、母のお銀とふたり暮しであったが、たとい末班でも官員さんの肩書をいただいている以上、一ヵ月一円五十銭の家賃を滞納するようなこともなく、無事に一年あまりを送っていた。