후리가나로 읽는 일본 고전
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ひょうしゃくかんにんき
評釈勘忍記
山本 周五郎
山本 周五郎의 評釈勘忍記(ひょうしゃくかんにんき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 17,889자 · 36화면
五
いなり山の客室では宇野夫妻とかな女と主人の紋太夫が待ち草臥れていた、否そんな生ぬるいことではない、待ち勢い待ち挑み待ち熾っていたと云うべきだろう。紋太夫は甥の顔を見るなり「なにをしていた」と呶鳴った。之に対して千蔵は片手で汗を拭きながら「役所で泳いでおりました」と答えた。「役所で泳――」と紋太夫が眼を剥き、又右衛門が失笑した。かな女は仏像の如く端正に坐り端正な眼と端正な鼻をこちらへ向けて端正に千蔵の顔を眺めていた。
五
中秋名月の招待と、かな女が仏像の如くあらゆる点で端正だという、二つの収穫を持って彼は自宅へ帰った。なにしろ「役所で泳いだ」という失言と、手を放せば暴れだしそうな勘忍袋の心配と、頭の中で嘲笑し手を叩いている須井栄之助の幻像とで、どんな話題が出たかなにを答えたかすらまるで記憶がない、帰る途中の或る町筋で鰻を売っている店をみつけたが、「なるほどこの土地には鰻なんかあ無いんだな」と感心したくらいあがりにあがっていたのである。
千蔵が有賀子之八を呼んだのはそれから半月ほど後のことだった。有賀は速足組の小頭であるが、六尺豊かな恐ろしく肥えた躯に所有されていて、素人が見たのではその巨大な肉塊のどこに彼自身がいるのか見当がつかないくらいだった。