후리가나로 읽는 일본 고전
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むほんろん(そうこう)
謀叛論(草稿)
徳冨 蘆花
徳冨 蘆花의 謀叛論(草稿)(むほんろん(そうこう))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 9,699자 · 19화면
僕は武蔵野の片隅に住んでいる。東京へ出るたびに、青山方角へ往くとすれば、必ず世田ヶ谷を通る。僕の家から約一里程行くと、街道の南手に赤松のばらばらと生えたところが見える。これは豪徳寺――井伊掃部頭直弼の墓で名高い寺である。豪徳寺から少し行くと、谷の向うに杉や松の茂った丘が見える。吉田松陰の墓および松陰神社はその丘の上にある。井伊と吉田、五十年前には互に倶不戴天の仇敵で、安政の大獄に井伊が吉田の首を斬れば、桜田の雪を紅に染めて、井伊が浪士に殺される。斬りつ斬られつした両人も、死は一切の恩怨を消してしまって谷一重のさし向い、安らかに眠っている。今日の我らが人情の眼から見れば、松陰はもとより醇乎として醇なる志士の典型、井伊も幕末の重荷を背負って立った剛骨の好男児、朝に立ち野に分れて斬るの殺すのと騒いだ彼らも、五十年後の今日から歴史の背景に照らして見れば、畢竟今日の日本を造り出さんがために、反対の方向から相槌を打ったに過ぎぬ。彼らは各々その位置に立ち自信に立って、するだけの事を存分にして土に入り、余沢を明治の今日に享くる百姓らは、さりげなくその墓の近所で悠々と麦のサクを切っている。