후리가나로 읽는 일본 고전
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ぐんようそ
軍用鼠
海野 十三
海野 十三의 軍用鼠(ぐんようそ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 18,659자 · 37화면
探偵小説家の梅野十伍は、机の上に原稿用紙を展べて、意気甚だ銷沈していた。
棚の時計を見ると、指針は二時十五分を指していた。それは午後の二時ではなくて、午前の二時であった。カーテンをかかげて外を見ると、ストーブの温か味で汗をかいた硝子戸を透して、まるで深海の底のように黒目も弁かぬ真暗闇が彼を閉じこめていることが分った。
もう数時間すれば夜が明けるであろう。すると窓の外も明るくなって、電車がチンチン動きだすことであろう。するとその電車から、一人の詰襟姿の実直な少年が下りてきて、歩調を整えて門のなかへ入ってくるだろう。そして玄関脇の押し釦を少年の指先が押すと、奥の間のベルが喧しくジジーンと鳴るであろう。梅野十伍はそのベルの音を聞いた瞬間に必ずや心臓麻痺を起し、徹夜の机の上にぶったおれてあえなくなるに違いないと思っているのである。
原稿紙の上には、ただの一行半句も認めてないのである。全くのブランクである。上の一枚の原稿用紙がそうであるばかりではなく、その下の一枚ももう一つ下の一枚も、いや家中の原稿用紙を探してみても只の一字だって書いてないのである。それだのに、朝になると、必ず詰襟の少年が、字の書いてある原稿紙を取りに来るのである。