후리가나로 읽는 일본 고전
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じんるいのせいぞんきょうそう
進化と人生(上)
丘 浅次郎
丘 浅次郎의 進化と人生(上)(じんるいのせいぞんきょうそう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 82,343자 · 164화면
烏などを見るに、他の烏のるすに乗じて巣の材料を盗みきたり、これを用いて自分の巣を造るものが往々あるが、かかる所行が露顕すると、近辺の烏等はみなそこに集まり、被告を取り巻いて、暫時カーカーとやかましく鳴いた後、五六匹の折檻委員を選んで、かの罪烏をつつき殺してしまう。このことは烏類の習性を書いた書物にはすでに出ているが、あえて珍しいことではなく、著者も数年前に東京お茶の水の聖堂の森の側でこれを実見したことがある。この時だけを見るといかにも残酷のようであるが、悪事に対してはかく制裁を加えなければ烏社会の秩序が保てぬから、これもよんどころないことである。かように多くの烏に囲まれて、今か今かと死刑の宣告を待っている烏の心を推察するに、ああ悪いことはできぬものなり、あんなことをしなかったならばこのような憂目にはあうまいにと、後悔の念に堪えぬであろう。またこれを見ている他の烏らも心中に、われも悪事を働いて露顕すればこのとおりの目にあうであろう、恐るべし、謹しむべしと自ら戒めるに相違ない。これがすなわち良心と名づくるものである。言を換えれば、動物の良心とは団体の要求にそむいた行為をなしたる後、団体の制裁を恐れる個体の感覚に過ぎぬ。