일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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とかいのなかのことう

都会の中の孤島

坂口 安吾

坂口 安吾의 都会の中の孤島(とかいのなかのことう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 13,205자 · 27화면

아오조라 문고

グズ弁にしても、右平にしても、誰もタダモノだと思っていない。ヤミ屋にしては金まわりが良すぎるし、その割に服装なぞが悪いから、右平の方は泥棒だろうということが定評になっている。相当世間を騒がしているお尋ね者の一人じゃないか、否、十中八九その一人だという風にミヤ子自身も考えているのだ。

そのくせミヤ子はいま世間ではどんなお尋ね者が騒がれているのだろうと知るために新聞を読む興味を起したことが一度もない。

つまり右平が泥棒でも人殺しでもかまわないのだ。そんなことには無関心なのだ。世間的に何者であろうともかまわない。グズ弁や右平の勤め先も住所も本名すらも彼女は知らない。それが彼女の東京の真ン中に於ける日常生活であった。

おまけに彼女はグズ弁からも右平からも熱烈に結婚を申込まれており、それに対して彼女の返答は同じように「あの人がいなければね……」ということであった。つまり、一方が死ねばとは云わないけれども、居なければねということは存在しなければねということで、要するに殺せばそうなるという結論はギリギリのところそれしかない。そして二人はたがいにそれを当然考えはじめているのであった。