후리가나로 읽는 일본 고전
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きんろう
金狼
久生 十蘭
久生 十蘭의 金狼(きんろう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 89,438자 · 179화면
……どうして九両三分二朱だ。きっと祟って見せるよ。……あたしのいのちをカセにして、どうでもバラスはずはあるまいと、多寡をくくってるのかも知れないが、今日只今、もう命なんか惜しくない。これから本庁へ駆けこんで、底をさらって申しあげ、お前らの首へ細引を喰いこましてやるからそう思え。……なんだ、妙な面をするな、こんなトボケタ小娘だから、なにも知るまいと思って、さんざ出汁がらにしゃぶりゃがったが、事件のありようは元すえまで、なにもかにも知ってるんだぞ。……おい、ひとつ、ここで復習って見せようか。……大正七年の六月に、北海道の北の端れで、稚内築港の名代の大難工事が始まった。すると絲満南風太郎は、自分の郷里の絲満から、二百人あまりの人間をだましてつれてきて、これを道庁の請負の大林組へ一人八十円パで売り飛ばした。売られた方はたまらない。なにしろ名代の監獄部屋だ。気候が悪い仕事が荒い、そいつが出来あがったときに生残った人間は二百人のうちたった十八人。……あたしの父親もだまされてうられて、そこで生命をおとした一人だが……こうして貯めこんだ金が三万円ばかり。怖くてたまらないから、銀行にも預けずに、自分の部屋へ金庫まがいの支那櫃を据えつけ、ひとが見たら蛙になれ、と隠しておいた。