일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はりのきのいけにえ

針の木のいけにえ

石川 欣一

石川 欣一의 針の木のいけにえ(はりのきのいけにえ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 6,187자 · 13화면

아오조라 문고

松本から信濃鉄道に乗って北へ向かうこと一時間六分、西に鹿島槍の連峰、東には東山の山々を持つ大町は安曇高原の中心として昔から静かに、ちんまりと栄えて来た町である。もちろん信州でも北方に位するので、雪は落葉松の葉がまだ黄金色に燃えているころからチラチラと降り始めるが、昨年(昭和二年)は概していうと雪の来ることがおそかった。が、来るべきものは来ずにはおかぬ。十二月二十三日の晩から本式に降り出して翌日も終日雪。その翌日、即ち二十五日の朝、信濃鉄道の電車は十一人の元気な若者たちを「信濃大町」の駅へ吐き出した。いずれもキリッとしたスキーの服装に、丈夫なスキーを携え、カンジキを打った氷斧を持って、大きな荷物はトボガンにのせ、雪を冒して旅館対山館に向かった。彼らの談笑の声はこたつにかじりついていた町の人々の耳を打った。ああ、早稲田の学生さんたちが来ただ! 町の人々はこういって、うれしく思うのであった。ここ三年間、毎年冬になると雪が降る、雪が降ると早稲田の学生さんたちが大沢の小屋へスキーの練習に入る。で、今年が四度目。雪に閉じ込められて、暗い、寂しい幾月かを送る町の人々にとっては、この青年たちが来ることが一種の興奮剤となり、かつ刺激となるのである。