후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
てつのしょじょ
鉄の処女
大倉 燁子
大倉 燁子의 鉄の処女(てつのしょじょ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 20,706자 · 42화면
1
1
寒い日の午後だった。
私は河風に吹かれながら吾妻橋を渡って、雷門の方へ向って急ぎ足に歩いていた。と、突然後からコートの背中を突つくものがあるので、吃驚して振り返って見ると、見知らない一人の青年が笑いながら立っていた。背の高い、細長い体に、厚ぼったい霜降りの外套を着て、後襟だけをツンと立てているが、うす紅色の球の大きなロイド眼鏡をかけている故か眼の下の頬がほんのりと赤味をさしている。彼は吸いかけの煙草をぽんと投げ捨てて、つと私の傍をすりぬけて、一間ばかり行ったかと思うと、何と思ったか、今度はくるりと踵を返して後戻りして来た。私はその顔を見てハッと思った。
「S夫人!」
夫人の変装術に巧妙なのは知っているが、こうまで巧みに化け了せるとは思わなかった。しかし他人ならいざ知らず、助手が見破れなかったのは少々心細い、私は何だか気まりが悪くなった。
「どこのよたもんかと思いましたよ。私の後をつけたりなすって――」
照れかくしにちょっと夫人を睨む真似をした。夫人は可笑しそうにくすくす笑いながら、
「ほんものの不良らしく見える? 実は今日はね、よたもんになりすましてある事件の調査に出かけたの、今その帰りなんですよ」