일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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なべしまかいのかみ

鍋島甲斐守

吉川 英治

吉川 英治의 鍋島甲斐守(なべしまかいのかみ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 11,322자 · 23화면

아오조라 문고

二

『これあいかん』

一時は、職を辞めようかと甲斐守は思った位であった。――然し、それは在職中の二年目ぐらい迄で、四、五年もたつと、彼の考え方はちがって来た。

『よくよく思うに、世の中に、ほんとの悪人などは一人もない』

と、人にも語り、自分もふかく信念していた。

『法然上人のようなお方ですら、御自身、十悪の凡夫だと云っておられる。親鸞上人は又――善人なおもて往生を遂ぐ、いわんや悪人をや――とすら明言しているのではないか。その心で観れば、世の中に悪人はいない筈だ。むしろ奉行所が無理に悪人をこしらえているに等しい』

それから後、甲斐守はたいへん気が軽くなった。彼は法令を、人間の善美を活かすために用いるように心がけた。そして彼は、法然上人の念仏にふかく帰依して、この転機を職の心に与えてくれた宗教に絶対の信仰をもち、社会政策と宗教とを一体にして、自分の管下を、この世の浄土にしなければならないと考えていたのである。

二

その甲斐守が、きょうは吟味所で、めったにない怒り方を示し、大喝していた。

『だまれっ。――最前から、何を訊ねても、ただ御尤で、御尤で、とばかり申し居って、それでは一向に量見が、わからんではないか。