후리가나로 읽는 일본 고전
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しっぽうのはしら
鏡花短編集
泉 鏡花
泉 鏡花의 鏡花短編集(しっぽうのはしら)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 15,632자 · 32화면
「もう!」
と笑って、一つ一つ、山、森、岩の形を顕わす頃から、音もせず、霧雨になって、遠近に、まばらな田舎家の軒とともに煙りつつ、仙台に着いた時分に雨はあがった。
次第に、麦も、田も色には出たが、菜種の花も雨にたたかれ、畠に、畝に、ひょろひょろと乱れて、女郎花の露を思わせるばかり。初夏はおろか、春の闌な景色とさえ思われない。
ああ、雲が切れた、明いと思う処は、
「沼だ、ああ、大な沼だ。」
と見る。……雨水が渺々として田を浸すので、行く行く山の陰は陰惨として暗い。……処々巌蒼く、ぽっと薄紅く草が染まる。嬉しや日が当ると思えば、角ぐむ蘆に交り、生茂る根笹を分けて、さびしく石楠花が咲くのであった。
奥の道は、いよいよ深きにつけて、空は弥が上に曇った。けれども、志す平泉に着いた時は、幸いに雨はなかった。
そのかわり、俥に寒い風が添ったのである。
――さて、毛越寺では、運慶の作と称うる仁王尊をはじめ、数ある国宝を巡覧せしめる。
「御参詣の方にな、お触らせ申しはいたさんのじゃが、御信心かに見受けまするで、差支えませぬ。手に取って御覧なさい、さ、さ。」
と腰袴で、細いしない竹の鞭を手にした案内者の老人が、硝子蓋を開けて、半ば繰開いてある、玉軸金泥の経を一巻、手渡しして見せてくれた。