후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
壺井 栄의 雑居家族(ざっきょかぞく)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 140,106자 · 283화면
「おじさん、せんたくばさみちょうだい。」
「わたしには七輪の網ください。」
こうした人たちとの接触は、兵六さんの失いかけていた生活への意欲を、ふるい立たせた。ふるい立ったもう一つの原因は、親方がみせてくれた五人の売り子たちの貯金通帳のことだった。石けん一つや割ばし十円の利益が集まって、通帳面には万の単位の金額が合計されていたのだ。それをみた兵六さんの頭には、夏樹と音枝の顔がさっと浮んだのである。
それ以来、貯金のことはねてもさめても兵六さんの頭を去らなかった。
――つめに火をとぼしてでも、あの金だけは払わなくちゃあ、兵六の男がすたる――
おとくいのひとり言を、つぶやかぬ日とてはない毎日だった。兵六さんの商売区域は、親方と談合の上、遠くて千葉、茨城あたりまでとなっていた。とはいえ、どこでやろうとそれは自由である。その日その日の申し合せで、市中をまわったり、いなかへいったりするのだ。仲間の中には遠く九州や東北、北海道あたりまで行商してまわっている者もあるということだったが、そこまではまだ思いきれない兵六さんだ。千葉や茨城でさえも、一度いって木賃宿へ泊らねばならなかったことを思うと、少々のもうけ位では、そう遠くへはゆきたくなかった。