일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

ja-reading.com

후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.

あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

山本 周五郎의 青べか物語(あおべかものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,888자 · 317화면

아오조라 문고

娘の婚家は根戸川に近いので、幸山船長の乗った船が通ると、彼女は土堤まで出て来て姿を見せた。通船の排気音やエンジンの音は、それぞれに特徴があって、馴れた耳で聞くと何号船かということが判別できるという。娘は十七号船の音が遠くからわかるのだろう。ときにはあねさまかぶりに襷をかけ、裾を端折ったままで、――たぶん洗濯かなんかしていたのだろうが、――あたふたと土堤へ駆けだして来たりする。出て来ても手を振るとか声をかけるなどということはない、船のほうを見るようすもなく、ただ船の通り過ぎるあいだ、自分がそこにいることを彼に見せ、また、さあらぬ態で彼のほうをひそかに見るのであった。船がそこを通過するのに約五百メートル、二人がお互いの姿を見ることのできる区間は約三百メートル。川を遡航する時間は長くて五分くらいだし、くだりのときは三分たらずであるが、その水上と土堤との短くはかない、けれども誰にも気づかれることのない愛の交換は、若い彼にとってこの世のものとは思えないほどのよろこびであった。

やがて十七号船は荷物専用になり、彼は十九号船に移った。そのあいだに一度、五十日あまり彼女が姿を見せなかったことがあった。