일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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あおべかものがたり

青べか物語

山本 周五郎

山本 周五郎의 青べか物語(あおべかものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,888자 · 317화면

아오조라 문고

そのうえ、人に背負われるなどという経験はまったく記憶にないから、おぶさってもいいという気分はまったく起こらなかった。

「でえじょうぶだってば」と長は構わずにこっちへ背中を向けた、「こっちは馴れてるだからしんぺえはねえよ、さあ」

私は二人の同伴者を見、来た畦道を見やった。戻るのも遠すぎるし、土のゆるんだ畦道の危なさを考えると、これまたうんざりである。長は背中を向けて跼み、「さあ、さあ、おぶさんなよ」としきりにせきたてた。

――そうだ、人を背負うのは馴れているんだ。

釣客を船から陸へ背負ってあげることは、船頭には珍しくない仕事の一つである。私はそれを思いだしたので、おそるおそるではあるが長の背中へおぶさった。おぶさったとたん、長の躯の重心に加わる私自身の重量感が、極めて過重であることを私は知った。長は第一歩を踏みだし、その躯は左へ大きく傾いた。半長靴の泥に踏み込むぶきみな音が聞えた。次の一歩は右へ、大きくぐらっと傾き、私の足が水につきそうになった。

――だめだ、こいつは転ぶぞ。

私は長の肩にしがみついたままそう思い、同時に、長といっしょに水の中へ転倒するならそれもまたよし、と思った。