후리가나로 읽는 일본 고전
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あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
山本 周五郎의 青べか物語(あおべかものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,888자 · 317화면
私はむやみに怒ったり、ふくれっ面をするようなことはない。仮に感情の激昂を抑えることができないような場合には、どなる代りに丁寧な言葉を使い、喚く代りにあいそ笑いをするようにつとめる。むろん青べかに対してもそういう態度でのぞんだ。私は彼女がどんなに侮蔑され迫害されたかを思い、自分だけは憐れみと愛情とで、彼女を劬らなければならないと思った。
或る日、私が根戸川の中流で、棹を振りまわし気ちがいのように櫂を使いながら、青べかの頑強な自意識とたたかっていて、ふと気がつくと、蒸気河岸に大勢の人が集まって、こっちを指さしながら、げらげら笑っているのに気づいた。学校のある時間だから、悪童どもはみえなかったが、十四五人の老若男女と、私を「蒸気河岸の先生」と知っているちびどもが、こっちを指さしたり、腹を押えたりしながら、有頂天になって笑っていた。
或る風の強い日に、――私は根戸川の中流で苦闘していた。干潮だったと思うが、青べかは私を乗せたまま、棹や櫂にはいっこう頓着せず、強い風と流れに身を託して、ぐんぐん下流へとくだっていた。このままでは海へ持ってゆかれてしまう、私はけんめいに櫂を使い、どうかして彼女を岸のほうへ向けようと、汗だくになって奮闘していた。