후리가나로 읽는 일본 고전
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せいしゅん
青春
宮本 百合子
宮本 百合子의 青春(せいしゅん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 7,799자 · 16화면
そんな風にして、どの位本をよんだことだろう。
家ではその時分、玄関わきの小部屋が私の部屋になっていた。土庇の深く出た部屋で、その庭には槇と紫陽花と赤い絹糸の総をかけたような芽をふく楓が一株あった。蕗の薹も出た。その小部屋は、親たちのいるところと、夜は真暗な妙にくねった廊下でへだてられていた。父や母は壮年時代の旺盛な生活ぶりで、どちらかというと自身たちの生活にかまけている。よく衝突もしていた。母が泣くこともあった。百合ちゃんはお父様とどこへでも行って暮したらいいだろうと云うようなこともある。だが、それらは今思えばどれも熾な生活力に充ちた親たちの性格があげた波の飛沫で、私はそのしぶきをずっぷりと浴びつつ、自分も、あの波この波をその波のうねりに加えながら、暗い廊下を自分の小部屋へ引き上げて来る。その廊下の暗さが独特によかった。部屋の入口をさぐりあてて、電燈をひねって、澄んだ狭い部屋の明るさのなかに浮出して来る大きい手ずれた素朴な机は、祖父のお下りというものであった。その机に向って坐る。時間の一粒一粒が私に何かを語りかけ、私も何かを語りかえさずにはいられないような気分である。