후리가나로 읽는 일본 고전
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
織田 作之助의 青春の逆説(せいしゅんのぎゃくせつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,593자 · 325화면
思わず二階の方へ聴耳が立って行くのだった。無理もなかった。こんな夜更けに男の客なぞここ二年ほど絶えてなかったのである。二年前にはあった。いきなり夜おそく訪ねて来て、多鶴子に紹介された。それが監督の矢野だった。いつも多鶴子がお世話になりましてと、ぺこぺこ頭を下げると、ああ、ああと鷹揚にうなずいていたが、その鷹揚さは多鶴子を人気女優に仕上げてやった監督としてのそれよりも、既に多鶴子の心身を自由にしてしまっているという強味に裏づけされていた。残酷な尊大さで、矢野は、「あんたも良い娘を産みなすったな」と言っていたが、その晩黙って泊って行った。それからもちょくちょく来た。きけば矢野には妻子もあるということで、その人達にも済まぬことだとひそびそと多鶴子に迫っていたが、多鶴子は、なにいいのよ。そう言っている内に、ふと多鶴子の体の異状に気がついた。もはや、ものも言えず、悲しい眼付きで娘を見ていたが、やがてそれが思い過しだったと、ほっとした途端に、なんとしたことか、娘が警察へ呼ばれた。あとでその理由がわかり、そんなことをさせる位なら、女優を廃めさせてでも産まし育てるのだったのにと後悔したが遅く、矢野の入智慧かと矢野が恨めしかった。