후리가나로 읽는 일본 고전
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
織田 作之助의 青春の逆説(せいしゅんのぎゃくせつ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 162,593자 · 325화면
と、いって浮わついた気持でもなかった。少年のような豹一を相手に恋人なんぞ考えてみてもおかしい、つまりその日思い掛けなく矢野に会うたという心の動揺が、豹一というあまり男臭くない杖を必要としたのだった。
矢野と会うのは五ヵ月振りだった。事件が起って以来である。会いたくても会えなかった。世間が会わさないのだと、多鶴子は思っていた。そう思いたかった。事件を良い機会に矢野の方から逃げ出したとは、思いたくなかった。向うも会いたいと思っているのだろうと、信じていた。が、矢野の顔を見た途端、その気持が裏切られてしまったのだ。五月振りに、しかもああした事件があった後の出会いならば、もっと切ない気持がお互いに湧いた筈である。少くも、多鶴子は口も利けないほど切なかった。ところが、矢野はいけ洒蛙々々とした態度を見せた。多鶴子にはそう見えた。途端に、自分から逃げ出したかったのだと、多鶴子は思った。立話さえ憚からねばならぬ気持はわかる。しかし、それにしても、もう少し愛情の籠った態度を見せてくれてもよかりそうなものだと、後追い掛けた咄嗟の恨みだった。結局はじめからてんで愛情がなかったのだと、もうあとを追う気はしなかった。