후리가나로 읽는 일본 고전
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せいあどうきだん
青蛙堂鬼談
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 121,438자 · 238화면
それは父が近いころに手に入れたもので、なんでもその前年、明治四年の十二月の寒い晩に上野の広小路を通りますと、路ばたに薄い筵を敷いて、ちっとばかりの古道具をならべている夜店が出ていました。芝居に出る浪人者のように月代を長くのばして、肌寒そうな服装をした四十恰好の男が、九つか十歳ぐらいの男の子と一緒に、筵の上にしょんぼりと坐って店番をしています。
その頃にはそういう夜店商人がいくらも出ていましたので、これも落ちぶれた士族さんが家の道具を持出して来たのであろうと、父はすぐに推量して、気の毒に思いながらその店をのぞいて見ると、目ぼしい品はもう大抵売尽してしまったとみえて、店には碌な物も列んでいませんでしたが、そのなかにただ一つ古びた仮面がある。それが眼について父は立止りました。
「これはお払いになるのでございますか。」
相手が普通の夜店商人でないとみて、父も丁寧にこう訊いたのです。すると、相手も丁寧に会釈して、どうぞお求めくださいと言いましたので、父はふたたび会釈してその仮面を手に取って、うす暗い燈火のひかりで透かしてみると、時代も相応に付いているものらしく、顔一面が黒く古びていましたが、彫りがなかなかよく出来ているので、骨董好きの父はふらふらと買う気になりました。